【中小企業の中途採用が成功するためのポイント Vol.15】
全24回にわたって、中小企業の中途採用が成功するためのポイントについてわかりやすくお伝えしていきます。一気に改善は難しいので、コラムの内容をヒントに「少しずつ」の改善を目指していきましょう!
≪本日のテーマ≫
第15回「採用データの活用」
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「採用活動をしても思うように成果が出ない」
「どこに問題があるのかわからない」
と感じたことはありませんか?
採用の成功には、感覚や経験だけでなく、客観的なデータを活用することが欠かせません。採用プロセスのデータを分析し、改善点を明確にすることで、より効果的な採用戦略を立てることができます。今回は、採用データの活用方法、改善点の抽出、そしてデータに基づく戦略的な採用について解説します。
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〜採用プロセスのデータ分析とは?〜
(1)収集すべき主要データ
採用の状況を正しく把握するためには、以下のデータを収集し、可視化することが重要です。
• 求人の閲覧数・応募数: 求人情報がどれだけの求職者に見られ、どれくらいの応募があったか。
• 応募から面接までの通過率: 応募者のうち、どの程度が面接まで進んだのか。
• 面接通過率と内定率: 面接を受けた応募者のうち、内定に至った割合。
• 内定辞退率: 内定を出した応募者のうち、辞退した割合。
• 入社後の定着率: 入社後6か月・1年後の在籍状況。
これらのデータを定期的に集計することで、どの段階に課題があるのかを把握しやすくなります。
(2)データ分析のポイント
収集したデータを分析し、採用活動のどこに改善の余地があるのかを見極めます。
• 応募数が少ない場合
→ 求人の内容が魅力的か、掲載する媒体が適切かを見直す。
• 面接通過率が低い場合
→ 採用基準が厳しすぎないか、面接の方法に課題がないかを検討する。
• 内定辞退が多い場合
→ 内定者フォローが十分か、他社と比較して給与や条件が劣っていないかを分析する。
• 入社後の定着率が低い場合
→ 入社前後のフォロー体制、オンボーディングが適切かを見直す。
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〜改善点を抽出しよう〜
(1)採用チャネルの最適化
どの採用チャネル(求人サイト、紹介、SNS、リファラル採用など)が最も効果的かをデータから判断し、採用成功率の高いチャネルに注力します。
(2)採用基準の見直し
応募者の質と通過率の関係を分析し、求めるスキルや経験に対する基準を適正化します。「応募者の数は多いが、適任者が少ない」場合は、求職者の関心を引くような求人内容に修正することも検討しましょう。
(3)面接プロセスの改善
面接評価のデータを分析し、選考基準が適切かを確認します。例えば、「面接官によって評価が大きく異なる」場合、評価基準の統一が必要です。また、候補者の体験(応募者体験)を向上させることで、選考辞退のリスクを減らせます。
(4)内定後フォローの強化
内定辞退率が高い場合、辞退理由をヒアリングし、フォロー体制を改善する必要があります。例えば、「内定後のコミュニケーションが不足している」「他社と条件を比較して辞退している」といった理由が多ければ、定期的なフォローや待遇の見直しを行います。
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〜データに基づく戦略的採用〜
(1)PDCAサイクルの導入
採用活動は「計画(Plan)→ 実行(Do)→ 評価(Check)→ 改善(Act)」のサイクルを回しながら、継続的に改善していくことが大切です。例えば、「求人掲載後に応募が少なかった場合、タイトルや募集要項を変更し、次回の掲載時に反映させる」といった形で、データを活用して改善を続けます。
(2)採用KPIの設定
採用の成果を評価するために、具体的な指標(KPI)を設定すると、改善点が明確になります。例えば、以下のようなKPIを設定し、定期的に確認することで、採用の成果を可視化できます。
• 求人掲載後の応募数(目標:月20件以上)
• 面接通過率(目標:30%以上)
• 内定辞退率(目標:10%以下)
• 入社後6か月の定着率(目標:90%以上)
(3)データを活用したターゲット設定
過去の採用データを分析し、どのような人材が入社後に活躍しているかを特定し、それに基づいてターゲットを明確にすることも重要です。例えば、「過去に定着率が高かった人材の共通点」を分析し、その特徴を持つ求職者にアプローチすることで、ミスマッチを減らせます。
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≪本日のまとめ≫
採用活動の成果を向上させるには、データを活用して現状を把握し、課題を明確にすることが重要です。応募数、面接通過率、内定辞退率、定着率などのデータを分析し、採用プロセスを継続的に改善することで、より効率的で効果的な採用が実現できます。今回のポイントを参考に、自社の採用戦略を見直し、データに基づいた戦略的な採用を進めていきましょう。
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*次回は、第16回「多様性のあるチーム作り」についてお伝えします。