【中小企業の中途採用が成功するためのポイント Vol.16】
全24回にわたって、中小企業の中途採用が成功するためのポイントについてわかりやすくお伝えしていきます。一気に改善は難しいので、コラムの内容をヒントに「少しずつ」の改善を目指していきましょう!
≪本日のテーマ≫
第16回「多様性のあるチーム作り」
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「社員の考え方が似通っていて新しい発想が出てこない」
「人材が偏っていてチームのバランスが悪い」と感じることはありませんか?
現代の組織づくりでは、“ダイバーシティ(多様性)”が大きなキーワードとなっています。年齢、性別、経歴、働き方などが異なる人材が集まることで、組織には新しい視点や柔軟性が生まれ、競争力の向上にもつながります。
今回は、多様性を取り入れる意義、多様な人材の採用・マネジメントのポイントについて解説します。
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〜ダイバーシティの重要性〜
(1)多様性がもたらす組織の強み
異なる視点や価値観を持つ人材が集まることで、問題解決やアイデア創出の幅が広がります。同じ課題に対しても多角的にアプローチできるため、変化の多いビジネス環境に対応しやすくなります。また、多様なニーズに対応できる商品やサービスの開発にもつながります。
(2)社員満足度・定着率の向上
個々の違いが尊重される職場は、働きやすさや心理的安全性が高まり、社員満足度が向上します。育児や介護などライフステージに応じた柔軟な働き方を認めることで、定着率の向上にもつながります。
(3)採用力の強化
多様性を受け入れる企業は、求職者にとって「柔軟で働きやすい企業」という印象を与えることができます。特に近年は、働きやすさや価値観の一致を重視する傾向が強いため、企業のイメージアップにも効果的です。
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〜多様な背景を持つ人材の採用と管理〜
(1)採用基準の見直し
多様性を意識した採用を行うには、「これまでと同じような人材」に偏らないことが重要です。年齢や学歴、職歴などの条件にこだわらず、「柔軟性」「学ぶ意欲」「協調性」などの人物面に注目した採用基準を設けると、より多様な人材を迎えやすくなります。
(2)働き方の柔軟性を確保する
ダイバーシティを活かすためには、柔軟な勤務体系が不可欠です。例えば、時短勤務やリモートワーク、フレックスタイム制度を導入することで、育児・介護中の社員や遠方に住む人材も働きやすくなります。制度として明文化し、採用時から伝えることで安心感にもつながります。
(3)公平な評価とコミュニケーションの工夫
多様な人材が集まると、価値観や働き方もさまざまになります。その中で公平な評価を行うには、「結果だけでなくプロセスも見る」「一律の基準ではなく役割に応じた評価を行う」といった視点が必要です。また、文化や経験が異なるメンバーとの円滑なコミュニケーションを支援する取り組み(例:1on1ミーティング、定期的なチームレビュー)も有効です。
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〜成功に導くチームづくりのヒント〜
(1)共通の目的やビジョンを共有する
多様な人材が同じ方向を向いて働くには、チーム全体で「共通の目的」や「ビジョン」を明確に持つことが不可欠です。定期的にその価値観を共有し、メンバーが自分の役割を理解できるようにしましょう。
(2)小さな成功体験を積み重ねる
異なる背景を持つメンバーが集まると、最初はすれ違いや戸惑いもあります。だからこそ、小さな目標を設定し、達成の喜びをチームで共有することで、信頼関係が生まれ、協力体制が整っていきます。
(3)多様性を「活かす」意識を持つ
単に多様な人材を集めるだけでは不十分です。異なる意見やアプローチを前向きに受け入れる姿勢や、それぞれの強みを生かした役割分担など、「多様性を活かす」仕組みづくりが重要です。
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≪本日のまとめ≫
多様性のあるチームづくりは、単なる人材確保の手段ではなく、組織の柔軟性や創造性を高め、長期的な成長につながる重要な取り組みです。採用段階から多様性を意識し、入社後もそれぞれの個性や働き方が尊重される環境を整えることで、より強く魅力的なチームを築くことができます。今回のポイントを参考に、ぜひ多様性を取り入れたチームづくりに取り組んでみてください。
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*次回は、第17回「リーダーシップとマネジメントスキルの評価」についてお伝えします。