【中小企業の中途採用が成功するためのポイント Vol.18】
全24回にわたって、中小企業の中途採用が成功するためのポイントについてわかりやすくお伝えしていきます。一気に改善は難しいので、コラムの内容をヒントに「少しずつ」の改善を目指していきましょう!
≪本日のテーマ≫
第18回「チームとの統合と協力体制の構築」
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「新しく採用した社員がチームに馴染めず孤立している」
「既存メンバーとの距離がなかなか縮まらない」
──そんな経験はありませんか?
新入社員がスムーズに既存チームに溶け込み、早期に力を発揮するためには、チームとの統合や協力体制の整備が欠かせません。今回は、新入社員と既存メンバーの相互理解を深め、協働体制を築くための具体策をご紹介します。
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〜はじめの関係づくりを意識したサポート〜
(1)ウェルカムの雰囲気を演出する
入社初日は新入社員にとって緊張の連続です。あいさつだけで終わらせるのではなく、部署全体で歓迎する雰囲気を演出しましょう。具体的には、自己紹介の時間を設ける、歓迎ランチを実施する、チーム内でのメッセージカードを用意するなど、小さな気遣いが安心感につながります。
(2)バディ制度やメンター制度の活用
業務のことだけでなく、ちょっとした相談を気軽にできる相手がいることは、新入社員の早期定着に大きく貢献します。入社直後は、年齢や役職に関係なく「話しかけやすい先輩」を一人つけると良いでしょう。業務のOJT担当とは別に、心理的サポートができる関係性があると効果的です。
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〜既存社員との相互理解を深める仕掛け〜
(1)定期的なコミュニケーションの機会をつくる
業務外でのコミュニケーション機会があると、新入社員と既存メンバーの距離がぐっと縮まります。ランチミーティングやチームでの振り返り会、雑談を交えた1on1など、形式にこだわらず定期的な交流を取り入れましょう。
(2)チームで目標や役割を共有する
「誰が何を担当しているか」「自分はどこを任されているか」が分からないと、新入社員は不安を抱きがちです。チーム全体で目標や役割を共有し、期待する役割を明確に伝えることで、連携もスムーズになります。また、チームの目標を共有することで一体感も生まれます。
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〜トラブルや摩擦を未然に防ぐ工夫〜
(1)適切なフォロー体制をつくる
新入社員と既存社員の間でトラブルやすれ違いが起きた場合、そのまま放置すると大きな摩擦に発展することもあります。入社後1週間・1か月・3か月といった節目ごとに、状況を確認する場を設けることで、早期に問題を発見し、対応できます。
(2)既存社員への事前説明・巻き込みを忘れずに
新入社員の受け入れは、チーム全体の協力があってこそ成功します。「どんな背景で採用した人か」「どんな役割を期待しているか」を既存社員に丁寧に伝え、受け入れ側の意識を高めることも重要です。単に「新しい人が入る」と伝えるのではなく、チームとして迎え入れる土壌をつくる意識が大切です。
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≪本日のまとめ≫
新入社員が早期にチームに溶け込むことは、定着や戦力化に直結します。最初の関係づくりを丁寧に行い、既存社員との相互理解を深めるための仕掛けを用意することで、協力しやすい雰囲気が生まれます。また、チーム全体が「一緒に働く仲間」として受け入れる姿勢を持つことが、統合の成功に欠かせません。小さな取り組みの積み重ねが、チーム全体の力を高めることにつながります。ぜひ、今の受け入れ体制を見直すきっかけにしてみてください。
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*次回は、第19回「パフォーマンス評価とフィードバックの提供」についてお伝えします。