【中小企業の中途採用が成功するためのポイント Vol.20】
全24回にわたって、中小企業の中途採用が成功するためのポイントについてわかりやすくお伝えしていきます。一気に改善は難しいので、コラムの内容をヒントに「少しずつ」の改善を目指していきましょう!
≪本日のテーマ≫
第20回「継続的な学習と成長の支援」
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「中途で採用した社員が入社後、伸び悩んでいる」
「スキルアップの機会が少なくて不安そう」
──そんな状況はありませんか?
採用して終わりではなく、入社後の成長を支える体制があることで、社員のモチベーションと定着率は格段に向上します。今回は、中小企業でも取り組める継続的な学習支援の工夫やキャリアパスの考え方をご紹介します。
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〜日々の業務に「学びの仕掛け」を入れる〜
(1)小さな学びの積み重ねを大切に
大掛かりな研修を用意しなくても、日々の仕事の中に「学ぶ場面」を意識的に作るだけで成長機会は増やせます。たとえば、週1回の振り返りミーティングで「今回の業務で学んだこと」を共有する、先輩社員が業務の背景を説明しながら指導するなど、日常の中に学びの場を組み込むことができます。
(2)社内で「教える側」を育てる
教える側の社員にも「人に教えることで自分も学ぶ」機会が生まれます。若手社員に新しい業務を任せる際は、やり方だけでなく理由も伝えるよう促すことで、チーム全体の成長にもつながります。
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〜キャリアパスを描ける環境づくり〜
(1)中長期的な目標を設定する
「このままこの会社でどんな成長ができるのか?」が見えないと、社員は不安になります。年1回でも「今後どんなスキルを身につけたいか」「3年後にどうなっていたいか」といった話を面談で行い、会社としてその思いにどう向き合えるかを一緒に考える機会をつくりましょう。
(2)役割やスキルの「見える化」
たとえば、「このポジションに就くには何が必要か」「今の業務の延長に何があるのか」といった情報を社内で共有しておくと、自分のキャリアを具体的にイメージしやすくなります。紙1枚にまとめた簡単なキャリアパス図などでも十分効果があります。
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〜無理のないトレーニング体制を整える〜
(1)外部の研修やセミナーの活用
外部の研修やオンラインセミナーなどを定期的に紹介することで、社員が自発的に学ぶきっかけになります。費用補助や参加の推奨があると、学びに対するハードルも下がります。
(2)「教え合い」「学び合い」の文化を育てる
社員同士でナレッジを共有したり、月1回の「社内勉強会」を設けたりするのも有効です。形式ばったものでなく、ちょっとした業務の工夫を共有し合うようなカジュアルな場でも、学びの意欲を高める土台になります。
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≪本日のまとめ≫
採用した人材が長く活躍してくれるかどうかは、入社後の「学び」や「成長機会」にかかっています。日々の業務に学びを取り入れる工夫、キャリアを見通せる環境づくり、そして無理のない研修体制を整えることで、社員のやる気と成長意欲は大きく変わります。社内に「育つ文化」を少しずつ育てていくことが、強い組織づくりにつながっていきます。
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*次回は、第21回「社内コミュニケーションの改善」についてお伝えします。



















